(カテゴリー:原付き)
(キーワード:原付 代わり, 特定小型原付 デメリット, 新基準原付 とは, 二刀流バイク)
こんにちは。
前回の記事では、「50ccの原付バイクが2025年で実質生産終了になる」という衝撃の事実と、その背景にある大混乱(新基準原付と30km/h制限の継続)について解説しました 1。
僕たち長年の原付ユーザーにとって、これは単なるニュースでは片付けられません。
「安くて、手軽で、そこそこ走る」という、**“ちょい乗りのアシの王様”**が、市場から消え去ることを意味するからです。
僕も「今乗ってる原付が壊れたら、次は何に乗ればいいんだ?」と、本気で悩んでいます。
そこで今回は、50cc原付が去った後の「空いた玉座」を狙う、**3つの有力な「代わりの乗り物」**を徹底的に比較・リサーチしました。
- ①【公式な後継者】新基準原付(125ccベース) 2
- ②【手軽さの革命児】特定小型原付(電動キックボードなど) 4
- ③【ルールの“ハック”】二刀流バイク(原付 ⇔ 自転車) 5
結論から言うと、残念ながら「50ccの完全な上位互換」は存在しません。
パワー、手軽さ、価格、ルール…それぞれが一長一短です。
あなたが「次のアシ」に何を一番求めるのか、この記事を読んで一緒に見極めていきましょう。
候補①:【公式な後継者】新基準原付(125ccベース)

まず紹介するのは、国やメーカーが「50ccの公式な後継機」として用意した**「新基準原付」**です 2。
- これは何?
- 前回の記事でも触れましたが、ベースは110ccや125ccの車体です 2。
- それを、**エンジン出力を$4.0\text{kW}$以下に意図的に抑え込む(デチューンする)**ことで、法律上「50ccと同じ原付一種」として扱えるようにした特別なモデルです 2。
- ホンダが「Dio110 Lite」や「スーパーカブ110 Lite」として、2025年11月・12月から続々発売します 6。
- メリット(良い点)
- パワーと安定感が向上:50ccよりも格段にパワフルで、車体も安定しています。坂道もスムーズに登れるようになります 6。
- 免許はそのまま:原付免許や普通免許で乗れます 2。
- デメリット(悪い点)
- 最大の欠点:ルールが変わらない:車体が立派になっても、法律上は50cc。つまり、あの忌々しい「時速30km/h制限」と「二段階右折」はそのまま残り続けます 3。
- 価格が上がる:ベースが125ccなので、従来の50ccモデルよりも車両価格が数万円~10万円以上、高くなります 6。
- こんな人向け
- 「30km/h制限は我慢するから、とにかく坂道でも力強く走るパワーと、安全な車体の安定感が欲しい」
- 「原付免許しか持ってないけど、新車に乗りたい」
候補②:【手軽さの革命児】特定小型原付(電動キックボードなど)

次に、街で急速に普及している「LUUP」などで御馴染みの、**「特定小型原付」**です 4。
- これは何?
- 電動キックボードや、特定の電動アシスト自転車などがこれに該当します 4。
- メリット(良い点)
- 免許が不要!:16歳以上であれば、運転免許が一切いりません 4。これが最大の武器です。
- ヘルメットが努力義務:必須ではなく「努力義務」です(もちろん安全のため被るべきですが)4。
- 自転車道も走れる:車道だけでなく、自転車道も走行可能です 4。
- デメリット(悪い点)
- パワーが非力:原付(50cc)よりもさらにパワーがありません。急な坂道はまず登れません。
- 速度が遅い:最高速度は時速20km/hに制限されています 4。
- 航続距離が短い:バッテリー駆動なので、長距離は走れません。「ちょい乗り」専用です。
- 安定性の不安:特にキックボード型はタイヤが小さく、段差や悪路での安定性に不安が残ります。
- こんな人向け
- 「免許を持っていない」「ヘルメットの着脱が面倒」
- 「近所のコンビニや駅までなど、ごく短距離・平坦な道の移動がメイン」
- 「スピードやパワーは一切求めない」
候補③:【ルールの“ハック”】二刀流バイク(glafit GFR-03など)

そして、JMS 2025(ジャパンモビリティショー)で話題になった、第3の刺客が**「二刀流バイク」**です 5。
- これは何?
- glafit(グラフィット)社が開発した、見た目は自転車のようなバイクです。
- 最大の特徴は「モビチェン」機構。手元の操作でナンバープレートを隠すと「自転車」になり、出すと「原付(一種)」になる、まさに“二刀流”の乗り物です 5。
- メリット(良い点)
- 究極の柔軟性:車道は「原付」としてスイスイ走り、原付が入れない公園やサイクリングロード、場合によっては(自転車として)歩道も走れるようになります 5。
- 走行モードの進化:最新モデルの「GFR3」では、従来の「原付+ただの自転車」から、「原付+“電動アシスト”自転車」に超進化 5。自転車モードでもラクになりました。
- 車体の進化:タイヤが大きくなり(20インチ)、サスペンションも搭載され、乗り心地が大幅に向上しています 5。
- デメリット(悪い点)
- 免許とヘルメットは必須!:これが一番の注意点です。あくまで「原付」なので、原付免許とヘルメットは絶対に必要です 5。「自転車モード」があるからといって、免許なしでは乗れません。
- 「原付モード」は30km/h制限:原付である以上、当然ながら時速30km/h制限と二段階右折のルールは適用されます。
- 価格が非常に高い:従来モデル(GFR-02)で約30万円 5。新型GFR3も同等かそれ以上と予想され、高額です。
- こんな人向け
- 「原付免許は持っている」
- 「30km/h制限は受け入れるが、二段階右折や走行場所の制約(車道だけ)がとにかく面倒」
- 「予算にはかなり余裕がある」
まとめ:「ポスト50cc」時代の乗り物 徹底比較
3つの候補を、僕たち原付ユーザーが気になるポイントで比較してみました。
| 比較項目 | ① 新基準原付(Dio110 Liteなど) | ② 特定小型原付(電動キックボードなど) | ③ 二刀流バイク(glafit GFR3など) |
| ベース | 125ccバイク | 電動キックボード | 原付+電動アシスト自転車 |
| 必要免許 | 必要(原付免許OK)2 | 不要(16歳以上)4 | 必要(原付免許OK)5 |
| ヘルメット | 必須 [7] | 努力義務 4 | 必須 5 |
| 最高速度 | 30 km/h [3] | 20 km/h 4 | 30 km/h(原付モード時) |
| 二段階右折 | 義務あり [3] | 義務なし | 義務あり(原付モード時) |
| メリット | パワー・安定性 6 | 免許不要・手軽さ 4 | 走行場所の柔軟性 5 |
| デメリット | 30km/h制限・高価格化 [3, 6] | 遅い・非力・不安定 | 超高価格・免許/ヘルメット必須 5 |
| (出典: [2, 3, 7, 6, 4, 5] などの情報を基に作成) |
結論:あなたの「アシ」はどれ?
こうして見ると、50cc原付がいかに「パワー」「手軽さ」「価格」「ルール(※30km/h以外)」のバランスが取れた“奇跡の乗り物”だったかが分かります。
「ちょい乗りの王様」が去った今、僕たちは選択を迫られています。
- **「パワーと安定性」**を最優先するなら(30km/h制限は妥協)、①新基準原付。
- **「免許不要の手軽さ」**を最優先するなら(速度とパワーは諦める)、②特定小型原付。
- **「走行場所の柔軟性」**を最優先するなら(高額な予算と免許は必要)、③二刀流バイク。
あなたのライフスタイルに合う「次のアシ」は見つかったでしょうか?
【次の記事(第3回)予告】
さて、代わりの乗り物は分かりましたが、僕が今まさに乗っているこの50cc原付…。
「壊れたらどうしよう?」「新車がなくなったら、部品もなくなるの?」「いつまで乗り続けられる?」
次回は、そんな既存オーナーの不安について深掘りしていきます。