こんにちは。
50cc原付の生産終了 1 をめぐる大混乱について、これまで3回にわたって追求してきました。
- 【全体像】50ccが消え、30km/h制限のままの「新基準原付」が登場する 1。
- 【代替案】「特定小型」 や「二刀流バイク」4 という選択肢もある。
- 【既存車】今乗ってる50ccは乗り続けてOK 5。でも新車在庫は消えゆく運命 6。
僕も今の50ccが壊れた時のことを考えると、本気で悩みます。
「ちょい乗りのアシ」を失った時、僕たち原付ユーザーが取るべき「次の選択肢」は、現実的に4つしかありません。
- 【最新】新基準原付(125ccベースのパワーUP版)を買う
- 【最後】在庫の50cc新車(従来型)を急いで買う
- 【解放】小型二輪免許 を取得して「本物の125cc」に乗る
- 【手軽】特定小型原付(電動キックボード等)に乗り換える
特に悩ましいのが、同じ「原付免許」で乗れる①と②の直接対決です。
今回は、この**「新基準原付 vs 在庫50cc」のガチ比較**を軸に、「結局、どれがあなたにとって正解なのか?」を徹底的にシミュレーションします。
直接対決!「新基準原付」 vs 「在庫の50cc新車」

同じ「原付免許」で乗れ、同じ「30km/h制限」2 が課せられるこの2台。
価格、パワー、ルールの3点で比較します。
比較1:価格(コストパフォーマンス)
まずはお金の話です。
- 新基準原付(例:ホンダ Dio110 Lite)
- メーカー希望小売価格:239,800円(税込)
- ※スーパーカブ110 Liteだと 341,000円(税込)
- 在庫の50cc新車(例:ホンダ タクト・ベーシック)
- メーカー希望小売価格:193,600円(税込)
勝者:在庫の50cc新車
差は歴然です。新基準原付はベースが110cc/125ccのため、従来の50ccより約5万円〜15万円も高額になります 。
「どうせ30km/hしか出せないなら、一番安いのがいい」と考えるなら、迷わず在庫の50ccを選ぶべきです。
(ただし、税金や保険料はどちらも「原付一種」区分で同じです )
比較2:パワー(走行性能)

次に、坂道や幹線道路で感じる「力強さ」です。
- 新基準原付(例:ホンダ Dio110 Lite)
- 最高出力:3.7kW ($5.0\text{PS}$)
- ベースが110ccなのでトルク(瞬発力)もあり、坂道もスムーズ。車体も安定。
- 在庫の50cc新車(例:ホンダ タクト)
- 最高出力:2.7kW ($3.7\text{PS}$)
- 非力で、坂道やバイパスの合流ではアクセル全開でも厳しい場面も。
勝者:新基準原付
新基準原付は、法律で定められた$4.0\text{kW}$ 1 の上限ギリギリまでパワーを出しています。
従来の50ccと比べ、パワーは約1.3倍 8。この差は決定的です。
「あの坂道で失速するのがストレス!」「幹線道路で流れに乗れず怖い思いをしたくない!」という人には、新基準原付が強く響くはずです。
比較3:交通ルール(制限)
最後に、僕たちを縛る「ルール」です。
- 新基準原付
- 最高速度30km/h制限:あり
- 二段階右折:あり
- 在庫の50cc新車
- 最高速度30km/h制限:あり
- 二段階右折:あり
勝者:引き分け(両者とも“負け”)
これが最大のジレンマです。
新基準原付は、パワーも車体も125ccクラスなのに、ルールは50ccと同じ 。
結局、どちらを選んでも「時速30km/h」という最大の悩みからは解放されません。
結論:「何を我慢できないか?」で正解が決まる

「次に買うならどれが正解か?」
この問いの答えは、あなたが「何を一番我慢できないか?」で決まります。
1. 「パワーのなさ」が我慢できない人
→ 【新基準原付】 を買いましょう。
価格は上がりますが、坂道や合流でのストレスは確実に減ります。「30km/h制限は我慢するから、せめてパワーだけでも欲しい」というあなたのための選択肢です。
2. 「価格の高さ」が我慢できない人
→ 【在庫の50cc新車】 7 を“今すぐ”探しましょう。
「どうせ30km/hしか出せないアシに、24万円も出せない」というのは合理的な判断です。平坦な近所の移動がメインなら、最安のこの選択肢がベストです。ただし、在庫は刻一刻と消えています。決断は急いでください 。
3. 「30km/h制限」が絶対に我慢できない人
→ 【小型二輪免許】 を取得しましょう。
これが唯一の根本的な解決策です。
免許さえ取れば、出力制限のない「本物の125cc(原付二種)」に乗れます。30km/h制限も、二段階右折も、二人乗り禁止(条件あり)も、すべて合法的にクリアできます 2。
「新基準原付に24万円出すなら、あと数万円足して免許を取る」というのは、最も賢い投資かもしれません。
4. 「免許の手間やパワー」が我慢できる人
→ 【特定小型原付】 もアリです。
「もう30km/hすら要らない。免許もヘルメット(努力義務)も面倒」というなら、時速20km/hで免許不要 3 の電動キックボードなどがフィットする可能性もあります。ただし、原付の代わりと考えると、パワーも航続距離も圧倒的に不足します。
まとめ:あなたの「次のアシ」決定チャート
| 買い替え候補 | 価格 | パワー | 30km/h制限 | 免許 | こんな人向け |
| ① 新基準原付 | 高い (約24万~) | 強い | アリ | 原付免許でOK | パワー重視。坂道がキツイ人。 |
| ② 在庫50cc | 安い (約19万~) | 弱い | アリ | 原付免許でOK | コスパ重視。平坦な近所メイン。 |
| ③ 本物の125cc | 車両による | 最強 | ナシ | 要・小型二輪 | 30km/h制限が嫌な人。 |
| ④ 特定小型原付 | 車両による | 最弱 | (20km/h制限) | 不要 | 手軽さ最優先。免許がない人。 |
あなたのライフスタイルと、「何が一番許せないか」を天秤にかけて、後悔のない「次のアシ」を選んでください。
【次の記事(第5回)予告】
今回の比較で、新基準原付の「30km/h制限・二段階右折」というジレンマが浮き彫りになりました。
次回は、この最大の混乱ポイントである**「125ccに乗れるなら小型免許はいらないの?」「30km/h制限は解除になる?」**という「免許とルール」の疑問について、さらに深く、なぜそうなったのかを解説します。