原付き

【原付 撤退?】スズキが“新基準原付”に沈黙する理由。ホンダ圧勝、ヤマハ出遅れ…メーカー戦略の残酷な差

こんにちは。 全7回にわたりお届けしてきた「原付きバイク大混乱」シリーズも、いよいよ最終回です。

50ccが生産終了となり 、免許はそのまま でパワーだけ上がる(ただし30km/h制限) という「新基準原付」の正体を見てきました。  

「じゃあ、どのメーカーの新基準原付を買おうか」 僕もそう思って各社の動向を調べ始めたのですが…そこで、言葉を失うほどの「格差」に直面しました。

  • ホンダ:圧倒的スピードで「答え」を提示  
  • ヤマハ:1年以上の「出遅れ」を表明  
  • スズキ:まさかの「完全沈黙」  

これはもう「どのバイクを買うか」という以前の問題です。「どのメーカーなら、そもそも売ってくれるのか?」という、メーカーに“選別”されているような状況なのです。 今回は、この残酷なまでの戦略差を徹底的にリサーチします。

【先導者】ホンダ:即応・フルラインナップという「王者の答え」

まず、市場のリーダーであるホンダ。 彼らの動きは、あまりにも迅速かつ完璧でした。

  • 春のショー:いち早く「スーパーカブ110 Lite コンセプト」を公開し、市場の不安を払拭 。  
  • 2025年10月16日:「新基準原付」の市販モデル4車種を、価格と発売日と共に一斉に発表 。
    • Dio110 Lite(239,800円)  
    • スーパーカブ110 Lite(341,000円)  
    • スーパーカブ110プロ Lite(385,000円)  
    • クロスカブ110 Lite(401,500円)  
  • 発売時期2025年11月・12月から順次発売 。50ccの生産終了とほぼ同時に、シームレスに市場へ投入します。  
  • JMS 2025:もちろん、ジャパンモビリティショーにも市販予定モデルを堂々と展示 。  

ホンダは「新基準? やりますよ」と言うだけでなく、「スクーターもカブも、ビジネス用もレジャー用も、全部用意しました。さあ選んでください」と、この新しい土俵の“標準”をたった一人で作り上げてしまいました。 僕たちユーザーからすれば、**「ホンダなら、今すぐ買える」**という絶大な安心感があります。

【追随者】ヤマハ:「2026年目標」という痛恨の“出遅れ”

次に、ホンダと長年原付市場を二分してきたヤマハです。

ヤマハも「新基準原付」の生産計画を進めていると報じられています 。 しかし、その発売時期は…「2026年を目指している」 とのこと。  

…2026年!?

ホンダが2025年11月から市場を席巻し始めるというのに 、そこから丸1年以上遅れての投入になる可能性が高いのです。JMS 2025(ジャパンモビリティショー)でも、具体的な新基準原付の市販モデル展示はなく、未来的なコンセプトモデルが中心でした 。  

もし僕が今、ヤマハの「JOG(ジョグ)」に乗っていて、「次もヤマハがいいな」と思っていたら? 「1年間、バイクなしで待て」 「それか、諦めてホンダのDio110 Liteに乗り換えろ」 …という、あまりにも厳しい選択を迫られることになります。これは「ヤマハ党」のユーザーにとって、痛恨の“出遅れ”と言わざるを得ません。

【沈黙者】スズキ:「撤退」の二文字がよぎる“無回答”

そして、最も深刻なのがスズキです。

ホンダが4車種を発表し 、ヤマハが「2026年に出す」と計画を報じられる 中、スズキは「新基準原付」について2025年10月末現在、一切の発表をしていません 。  

「アドレスV50」など、安価でパワフルな名車を生み出してきたスズキの“完全沈黙” 。 これは、僕たちスズキユーザーに「まさか…」という最悪のシナリオを想像させます。  

「スズキは、この“新基準原付”という面倒な日本市場から、戦略的に撤退するつもりではないか?」

なぜスズキは沈黙するのか?「撤退説」の根拠

僕も「まさか」と思いたい。 しかし、スズキの“沈黙”を合理的に説明しようとすると、悲しいかな「撤退説」が現実味を帯びてきます。

  1. 「ガラパゴス市場」の非効率性 そもそも従来の50ccは、ほぼ日本でしか売れない「ガラパゴス市場」でした 。  
  2. 「新基準原付」も“ガラパゴス”である 今回作られた「125ccのパワーを意図的に$4.0\text{kW}$以下に抑える 」という「新基準原付」もまた、世界中のどこにも存在しない、日本だけのための特殊なレギュレーションです。  
  3. 国内需要の低下 そして、その日本市場の原付需要そのものが、長期的に「低下」し続けています 。  

スズキの経営陣が、この状況を冷静に分析したとしましょう。 「需要が減り続ける日本市場のためだけに、わざわざ“日本専用の特殊なデチューンモデル(新基準原付)”を開発・生産するコストは、割に合わない」 「それよりも、開発リソースはアジアなど世界中で売れる**“本物の125cc”(アドレス125など )や、“未来のEV戦略”** に集中すべきだ」 …そう判断したとしても、企業戦略としては何の不思議もありません。  

JMS 2025でも、スズキは「原付二種(本物の125cc)相当」のコンセプトモデル は展示しても、「新基準原付」については何の音沙汰もありませんでした。  

この“沈黙”は、スズキが僕たち日本の「原付一種」ユーザーに対し、「ごめん、もう君たちのためのバイクは作らないかもしれない」と、静かに告げているようにも思えるのです。

シリーズ最終結論:僕たちの「選択の自由」は奪われた

全7回にわたるリサーチを終えて、僕がたどり着いた結論です。

50ccの生産終了は、単に「乗り物が変わる」という話ではありませんでした。 それは、僕たち「原付免許」しか持たないユーザーの**「選択の自由」そのものが奪われる**、残酷な時代の始まりだったのです。

  • 30km/h制限や二段階右折という**「ルールの不自由」** は、新基準原付でも継続される。  
  • そして今、「ホンダ一択、ヤマハは1年待ち、スズキは撤退濃厚」という**「メーカー選択の不自由」** が突きつけられた。  

この大混乱の中、僕たちが「次に買うバイク」は、ホンダが用意した選択肢 の中から選ぶか、それともこの理不尽なルール(30km/h制限)ごと捨てて「小型二輪免許」を取りに行くか、という厳しい決断を迫られています。  

このブログカテゴリ「原付き」が、あなたにとっての最善の「答え」を見つけるための一助となれば幸いです。 長い調査にお付き合いいただき、ありがとうございました。

  • この記事を書いた人

ワッシィ

生きてるうちにおもろいことしときましょ!

-原付き
-, , ,